【公民連携事業】駅前の空き地がデザイナーズタウンに! 稼ぐインフラを実現させた岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」

施設
【3つのポイント】
・「日本一高い雪捨て場」から始まった計画
・年間100万人が訪れるデザイナーズタウンへ
・民間企業による補助金に頼らない運営

岩手県の中部に位置する紫波町(しわちょう)は、国の補助金に頼らない公民連携の取り組みで注目されています。

1998年、町は紫波中央駅前の土地を28億5000万円で取得しましたが、税収が減少した影響で再開発計画は頓挫してしまいます。土地は長い間放置され、「日本一高い雪捨て場」と揶揄されていました。

この状況を打破するため、2009年から民間主導でのまちづくりである紫波中央駅前都市整備事業、通称「オガールプロジェクト」が民間企業主導で始まりました。

「オガール」とは、「成長」を意味する紫波の方言「おがる」と、「駅」を意味するフランス語「ガール」をかけた造語です。「町が持続的に成長していくように」という願いが込められています。

オガールプロジェクトにより、図書館やカフェなどの入った複合施設「オガールプラザ」の完成を皮切りに、バレー専用体育館などが入った「オガールベース」、エコ住宅街「オガールタウン」と、教育、文化、医療など、住民の生活を豊かにするデザイナーズタウン化が進んでいきました。

今では年間100万人近くもの人が訪れる場所になったといいます。

着目すべき点は、補助金に頼らず自立する仕組みづくりの徹底です。たとえば、オガールプラザの建設に関しても、当初予定していた3階建ての鉄筋コンクリートを木造2階建てにするなど、テナント収入から運営費を逆算してシビアに計画を立ててきました。

人口減少、高齢化の進む日本で、これからの行政に求められるのはオガールプロジェクトのように「稼ぐ仕組みをつくること」なのかもしれませんね。

参考書籍『現場発! ニッポン再興』(出町譲 著 / 晶文社)

▼オガール公式ホームページ▼

オガールプロジェクト(岩手県紫波町)は都市と農村の新しい結びつきを創造します。
オガール 岩手県紫波郡にある複合商業施設。飲食店、販売店、クリニック、体育館、ホテル、図書館、町役場、複数のレンタルスペースなど様々なサービス業があります。これらと人々が集まればできることは無限大。中央には芝生の広場があり、ひとつのまちのように沢山の交流が生まれて、育っていきます。
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