【農商連携モデル】過疎化の進んだ町で年間売上2億円を達成! 高齢者女性が活躍する徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」とは?

農業
【3つのポイント】
・高齢者が人口の半数を占める町
・葉っぱを販売して売上2億円
・IT化でモチベーションアップ

足元に落ちているあるものが商品になる!

そんな発見から経済を活性化させた町があります。それが徳島県中部にある上勝町(かみかつちょう)です。上勝町の人口は四国4県の中でもっとも少ない1,457人で、その半数以上を65歳以上の高齢者が占めています(※令和4年現在)。

この小さな町で、全国でも有数の地域活性型農商連携モデルである「葉っぱビジネス」が生まれました。

葉っぱビジネスとは、飾りとして料理に添える季節の葉や花、山菜などといった、いわゆる「つまもの」を栽培・出荷・販売する農業ビジネスのことです。

出荷する商品の種類は南天、もみじ、梅、桃など、その数は約320種類、その売上は平均2億円に上ります。ビジネスを支える主な働き手は高齢者女性であり、中には年間売上が約1,000万円もあるおばあちゃんがいるほどです。

上勝町の葉っぱは、今や全国シェアの8割を占めるほどになりました。

葉っぱビジネスを始める前、上勝町は主な収入源であった農作物の売上減少に悩まされていました。そこで町の半数近くを占める高齢者や女性が活躍できる仕事を模索し、1986年、山々にある葉っぱをつまものとして販売するブランド「いろどり」が誕生。

1996年、いろどりの法人化とともに情報管理システムを導入し、ビジネスのIT化を進めます。事業へ参加する農家にパソコンを配布、売上をリアルタイムで管理することで、農家の人々のモチベーションのアップを図りました。

葉っぱビジネスが始まってから、それまで年金で生活していた高齢者がビジネスの収入により所得税を収めるようになったり、活躍の場ができたことで高齢者に活気が生まれ、診療所やデイサービスの利用者が激減したといいます。また、2010年からはインターンの受け入れを始めるなど、町は若返りに成功しました。

全国で少子高齢化が叫ばれて久しい昨今ですが、「若い労働力を増やす」というアプローチだけではなく、上勝町のように元気な高齢者に視点を当てることで新たなまちづくりモデルが生まれるかもしれません。

参考書籍『地方創生実現ハンドブック』(トーマツベンチャーサポート株式会社・日経トップリーダー共著 / 日経BP社)

株式会社いろどり公式ホームページ

事業紹介 - 株式会社いろどり
「葉っぱビジネス」とは “つまもの”、つまり日本料理を美しく彩る 季節の葉や花、山菜などを、 栽培・出荷・販売する農業ビジネスのことです。 山あいだからこそ生まれた葉っぱビジネス 四国にある徳島県 … 事業紹介 もっと読む »

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