【3つのポイント】
・宿泊者数が4年で20%アップ
・地元民向けのイベントを開催
・地元民が楽しんでいる姿がディスプレイに
地元を観光地化したいけど、ここには何もないからなぁ……。
かつて住民たちから同じような声が上がったのが熱海です。
熱海は何県?住むところではない?
熱海(あたみ)は静岡県にあります。熱海は温泉地として有名で、多くの観光客が訪れますが、住むことも十分可能です。実際に、熱海には定住者が多く、観光地である一方で、日常生活を送るのにも適した場所です。
気候が温暖で、海に近いリゾート感のある環境が魅力です。
静岡県熱海市はかつて、日本有数の温泉地として一世を風靡しました。しかし、バブルが崩壊した1990年頃から徐々にかげりが見え始め、2011年の宿泊者数は全盛期の半分以下まで落ち込みます。
ところが、それから2015年までのたった4年間で、宿泊客数は20%もアップしました。
人々はこれを「熱海の奇跡」と呼びます。
熱海はいかにして活気を取り戻したのでしょうか?
その答えは、熱海再生の立役者である市来広一郎氏の著書『熱海の奇跡』にありました。
市来氏は観光客に熱海をアピールする前に、まずは地元の人たちに熱海の良いところを知ってもらおうと考え、地元民向けのイベントを多数開催したといいます。
というのも、それまで地域に住む人々は熱海のよいところを問われても、口を揃えて「熱海にはなにもない」と答えていたそうです。
しかし、熱海には人も資源も十分に揃っていました。「地元民が良いと思えないのに、観光客が好きになってくれるわけがない」と、地元民の意識を改革することから始めたのです。こうして市来氏は地元民を熱海のファンにし、さらにはツアーガイドにまで仕立て上げてしまいました。
市来氏は〈街にいる人たちが楽しそうにしている姿こそが街のディスプレイ〉だと語ります。
また同時に、起業したい人をサポートする創業支援をしたり、人気が高まっていた「熱海プリン」の2号店を誘致したりして熱海のまちをデザインしていきました。
「このまちには“本当に”何もないのか?」と疑うことから地方再生は始まるのかもしれませんね。
参考書籍『熱海の奇跡』(市来広一郎著 / 東洋経済新報社)
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