2023.05.24
【リサーチ】読者インタビュー | 静岡みんなの広報の反響を直接聞いてみた
この度、静岡みんなの広報一周年特別企画として「ファンミーティング」を開催しました。
公園でピクニックを楽しみながら、日頃から記事を読んでくださっている方々にメディアの印象や静岡のまちへの想いを伺いました。
参加者プロフィール
阪口瀬理奈さん
静岡県のICT人材の育成やデジタル化の支援、イノベーションの拠点となるコミュニティスペース「SHIP」のプロデューサー兼コーディネーター。
石川恵理奈さん
都内WEBメディア企業での広告営業、及び静岡特化型移住転職エージェント株式会社TurnXで広報を担当。地元の富士市を愛し、地域のためにできることを模索している。
小林祐介さん
まちづくり事業をしている一般社団法人草薙カルテッド所属。コミュニティースペースtaktの運営を中心に、大学内の書店、介護事業所の採用支援など、業務は多岐にわたる。
聞き役:茜
静岡みんなの広報インタビュアー。通称、茜さん。
印象に残った記事について
茜:
本日はお集まりいただきありがとうございます。みなさんには記事のこと、お互いのこと、あるいは静岡への愛など、ざっくばらんに話していただければと思います。もちろん、私たちに聞きたいことがあったら何でも聞いてください!
阪口さん:
私の中で印象深いのは江﨑社長の記事かな。すごいインパクトでした。そんな想いでARTIEをやっていたなんて、全然知らなかった。ARTIE前の広場で子どもたちが跳ね回っているのをよく目にしますよね。まさに江﨑社長の狙い通りじゃないですか。
▼江﨑社長インタビュー記事はこちら▼
小さな街の挑戦が、世界を動かすかもしれない | 江﨑グループ社長インタビュー
理念や街への想いから導かれる戦略 | 江﨑グループ社長インタビュー
誰かのための己であれ。役に立つ、幸せにできる自分であれ|江﨑グループ代表 江﨑和明社長インタビュー
石川さん:
わかります。まちへの想いが溢れていましたよね。
小林さん:
僕はあの記事を読むまで、江﨑新聞社さんの存在を意識したことがありませんでした。「ああ、新聞屋さんなんだな」ってくらい。でも、記事を読んだらすごい熱い方だとわかって、江﨑社長から目が離せなくなりました。
茜:
嬉しいです! 江﨑社長の記事は評判が良くて、SNSでも多くの方に拡散していただきました。
阪口さん:
私もSNSで拡散されている記事を読んだのが静岡みんなの広報さんを知ったきっかけです。静岡の企業を自分たちが代わりに広報していく、とnoteの記事に書いてあったじゃないですか。「うわー、まさに自分もやりたいと思っていたことじゃん!」ってなりましたが、今は「静岡みんなの広報があるならいいかな」と思うようになりました(笑)
石川さん:
私はフジ物産さんの記事が印象的でした。社員が出てくるインタビュー記事って珍しいじゃないですか。社長が想いを持って仕事をしているのはもちろんですが、社員さんの口からも力強い言葉や印象的なエピソードが出てくるのは、すごい!
▼フジ物産に入社した山本さんのお話▼
東京で培ったビジネスのノウハウを地元で活かす | フジ物産アスリートキャリアサポート担当 山本さんインタビュー
茜:
社長さんと社員の方々が想いを共有しているのは強いですよね。今後また、社員さんを巻き込んだ記事を出していく予定です。
小林さん:
最近の記事だと、静岡鉄道さんが印象的でした。とくに台風被害の裏側を書いてた部分。ちょうど線路が崩れた場所が僕の職場の近くでしたから。直っていく様子を目の前で見ていたので余計にグッときました。地元民にはぜったい響きましたよ。
▼台風被害の裏側について書かれた記事はこちら▼
台風災害からの復旧に秘められた静鉄の文化 | 静岡鉄道株式会社 川井敏行社長インタビュー
茜:
ありがとうございます!
石川さん:
社長のインタビュー記事って巷に溢れてるのに、なぜか静岡みんなの広報の記事は印象に残るんですよね。他のメディアと何が違うのでしょうか?
なぜ静岡みんなの広報は読まれるのか?
小林さん:
一本の記事としては長いほうですよね。
阪口さん:
たしかに長い!
茜:
これでも減らしているつもりなんですけどね(笑)
阪口さん:
静岡みんなの広報には長くても読ませるパワーがあるんじゃないかな。話の引き出し方が上手ですよね。プライベートに踏み込む・踏み込まないとかも相手が初対面の、しかも社長さんだったら気を遣うじゃないですか。私は仕事柄インタビューをすることもあるんですが、いろいろと遠慮して、かた〜いレポートになってしまうんです。私にあれは書けないなあ。
石川さん:
力加減が絶妙なんですよね。力が入り過ぎず、抜け過ぎずって感じで。私が同じように書いたら、たぶん「静岡が好きだ!」って感情が先行して暑苦しい文章になっちゃうと思う。
阪口さん:
わかります。静岡に住む多くの人は「普通にいいまちだよねー」と思っているけど、石川さんほど地元を自慢に思っていないんじゃないかな。だから最初から、「静岡は魅力的なまちなんだ!!」って勢いのあるトーンで書かれていたら、静岡に関心のない読者は疲れちゃうと思う。
石川さん:
ですよね。じつは私、ちょうど今、仕事でインタビューを書いているんです。インタビューをした方とは企画が決まる前からの知人だったので、気持ちの変遷とかも知っていて、だから、どうしても感情移入してしまいます。私の中の「ここを伝えたい!」が強すぎて、先日も社長にダメ出しをされてしまいました。
茜:
たしかに、感情の込め方は私たちも悩むところです。地元愛や事業に込められた想いばかりに焦点を当てると、企業のことを知らない他県の方々には響きにくくなってしまいます。かといって、事業内容ばかりだと読者は飽きてしまいます。そのあたりのバランスに、弊社のライターはいつも悩んでいます(笑)
インターネット上に静岡の企業情報が少ないのでは?
阪口さん:
あらためて見てみると、シャフトさんの記事は「いいね」がいっぱいついていますね。
茜:
アニメファンにはシャフトさんのネームバリューが響くようです。それに、そもそもシャフトさんが静岡オフィスを立ち上げた理由に迫った記事が少ないんですよ。
▼シャフトさんのオフィスが静岡にできた理由はこちら▼
シャフト静岡スタジオAOIへの想い | 株式会社シャフト 久保田社長インタビュー
阪口さん:
そうか、インターネット上に情報が少ないんだ。
石川さん:
こんな素敵な想いが世に広まっていないなんて……。
阪口さん:
静岡っていい会社さんが多いのに、インターネット上に全然情報が出ていないですよね。「これは絶対に残してほしい!」みたいな記事のほとんどが新聞や会報誌といった紙媒体にしか出ていなかったりします。もっとインターネット上に出回っていれば、就活生の目にも止まりやすいだろうし、「地元企業もおもしろいじゃん!」ってなりやすいと思っています。
小林さん:
大手のリクルートサイトでは給与や待遇のことしか書いてないから、まちへの想いはわからないんですよね。僕は個人的に学生たちと繋がる機会が多いので、「地元企業のことを知りたかったらこれ読みなよ」と静岡みんなの広報さんの記事をちょこちょこおすすめしています。
茜:
すごく嬉しいです! ありがとうございます。
小林さん:
学生の中には、社会貢献やまちづくりに興味のある子がちらほらいるけれど、どこの企業が地域想いなのかっていうのは、求人サイトやホームページではあまり見えてこないんですよね。
石川さん:
たしかに、こんなに多くの企業が社会貢献をしているなんて、社会人になるまで知らなかった。もし静岡に根付いた仕事に就きたいと考えると、まず思いつくのは市役所や地方銀行とかになっちゃいますね。
小林さん:
僕は新卒で働き始めて間もない頃、現実と理想の差に心が沈んでしまったことがあります。学生のうちに「仕事とは何のためにするのか?」ということをよく考える機会があったら、「もっと楽しく仕事ができたかも」と思ったりしました。会社で働くと言うか、会社と従業員、地域が「一緒に生きていく」という姿勢を知れる機会がもっとあってほしいです。
石川さん:
わかります。私、地元の富士市が大好きなんです。だから、就職のタイミングでUターンするか悩みました。でも、小林さんのように社会人のイメージがうまく掴めていなくて……。
もし富士市で就職して生活が辛くなったら、逃げ場がなくなってしまうように感じたんです。なので、東京を仮住まいにするつもりで東京の企業に就職しました。もちろん、今は東京の暮らしも悪くないと思っていますけど。
小林さん:
へえ~。じゃあ、石川さんはなぜ静岡の企業でも働いているんですか?
石川さん:
20代後半になると地元が好きでUターンする同級生が増えてきて、その中の親しい友人が地元のコミュニティに誘ってくれたんです。それで入ったのがまちづくりをしている一般社団法人F-design。
さらに、そこで繋がった富士市の自動車学校でPRのお仕事をさせてもらったり、地元を上手にPRする方法を学びたいと思って、静岡への想いの強いTurnXで広報のお仕事をさせてもらったりしています。
小林さん:
僕らはコラボレーションスペース「takt」という、学生と社会人が交流できる場を運営しています。
学生たちには社会に出る前に、もっと企業のことを知ってもらいたい。だから、情報に出会える場所として静岡みんなの広報のような地元メディアがあり、人に出会える場所としてtaktのような交流の場があればいいなって思っています。
静岡への愛や移住を考えた理由を語る
石川さん:
阪口さんはお仕事の関係で静岡に移住されたんですか?
阪口さん:
いえ、静岡へ移住してから仕事を探しました。ちょっと都会の生活から離れたいなって思って静岡に来て、いろいろなご縁があって今のお仕事をさせてもらっています。5年住んでいますが、静岡は本当にいいまちです。移動は楽だし、食べ物は美味しいし、自然もあるし……あ、静岡愛を語り出したら長くなりますよ!
▼阪口さんの静岡移住についてはこちらで詳しく語られています▼
https://note.com/celina0523/n/n51551f9fa827
石川さん:
私はもともと地元の富士市が好きなんですね。でも、なんで地元が好きか、つい最近までずっとわかんなかったんです。それが最近やっとわかって。
茜:
そうなんですね。きっかけはなんだったんですか?
石川さん:
私の実家は30年続く飲食店だったんです。でも、父が60歳を迎えたのを機に店を閉めることになりました。すると、それを聞きつけた常連の方々がたくさん来てくださったり、地元の企業さんが「うちが支援をするから続けてくれないか」と声をかけてくださったりもしたんです。
阪口さん:
おお、すごい!
石川さん:
私はお店をやっている両親に育てられたとともに、まちや地元の企業の方々にも支えられていたんだなって実感しました。富士市のためにできることはないかって考える土台には、まちへの感謝や恩返しの気持ちがあったと、初めて腹落ちしたんです。
だから静岡みんなの広報さんの書くような、地元への想いを切り口にしたコンテンツがグサグサ刺さっちゃう!
小林さん:
素敵なお話ですね。
茜:
小林さんも、ずっと静岡にいらっしゃったわけでもないんですね?
小林さん:
はい。僕の通っていた静岡県立大学が静岡市の草薙というところにありましたが、卒業後は求人広告の会社に就職して、東海地区を中心にあっちこっち移動しながら6年間働きました。
茜:
どのようなきっかけでまた草薙に戻ってきたんですか?
小林さん:
草薙は産学が連携した地域活動が盛んだったので、学生時代から地域の社会人の方々と関わりを持つことが多かったんですね。その時に知り合った方の中に、今お世話になっている会社の社長がいました。
前の会社に勤めて5年が過ぎ、そろそろ次の場所に転勤かなって考えていた時、突然、社長から「小林くん、一緒に仕事しない?」って電話が来て。まだ何をやるか決まってない段階なのに、まちづくりを本格的に進めるためにテナントを借りたというんです。驚きましたね(笑)。でも、「これも何かのご縁かな」と思ってYESと返事をしました。
阪口さん:
YESと答えた理由は「直感」ですか?
小林さん:
そう、直感です。何か運命を感じて、給与や待遇もとくに聞きませんでしたね。それから一年かけてそれまでの仕事を納めて、静岡に戻ってきました。
阪口さん:
すごーい、素敵ですね!
静岡みんなの広報に○○してほしい!
小林さん:
学生との関わりが多いから、なおさら思うのが、学生目線の反応や取材記事の必要性です。
先ほども言ったように、学生さんに静岡みんなの広報さんの記事を読んでもらうと、興味を持つのが天神屋さんや匠宿さんなんですね。なぜかというと、どちらも学生に馴染みがある社名だから。タイトルやサムネイルを見て、名前を知っているから読んでみたってなるわけです。
石川さん:
なるほど、たしかに名前を知っているか知らないかは大きな分かれ目になりますね。
小林さん:
読んでみればどこも魅力的な企業だとわかります。ただ、読むまでのきっかけづくりが難しい。だから静岡みんなの広報さんにも、「学生が社長にインタビューしてみた」みたいな、学生に近い視点の記事があったらいいなって思います。
茜:
貴重なご意見ありがとうございます。私たちも、より学生さんに届く記事にしたいと考えていたところです。学生さんからしたらこの記事って長いし、社会経験も少ないからピンとこないことも多いと思うんです。
いつになるかはわかりませんが、学生さんを集めてインタビューしてほしい会社のアンケートを取ったり、就活に繋がるようなイベントもやってみようかと考えています。
阪口さん:
かといって学生目線、採用目線になりすぎるのも注意が必要ですね。会社の待遇や福利厚生の話になると、お話しされる方も背筋がピンとしすぎて、静岡みんなの広報さんの持ち味の柔らかさがなくなっちゃいそうだし。
小林さん:
そうですね。スタイルを大きく変えるまでしなくても、たとえば印象的な一文を切り取ったポスターにして、人目につきやすいところに張り出してみるのはどうでしょう? たとえば、江﨑社長の記事だったらボウリング場やゲームセンターのトイレとか。ポスターの一文も見る人に合わせて切り取り方を変えてみたりして。
茜:
ありがとうございます。参考にさせていただきます。おっしゃる通り、メディアへの入口はもっと増えていいかもしれません。
阪口さん:
あと、静岡みんなの広報ファンの私からすれば新作が出るたびに読んじゃいますが、外からの流入だと特定の記事にだけ着地して、「別の記事を読もう」まで繋がらないのかも。
茜:
そこは私たちも悩んでいるところです。今後、記事の数を増やしていくことで別の記事に興味を持ってもらえるようにしていきたいと考えていますが、まだ改善の余地ありです。
石川さん:
欲を言えば、静岡県東部の企業をもっと取り上げていってほしいです。富士市民からすると、静岡市は県の中心なんですよね。東部の会社へのインタビューが増えれば、そっち方面の人たちも興味を持ってくれやすいと思います。
茜:
なるほど、おっしゃるとおりです。自分の住んでいる地域の会社が取り上げられれば関心を持ちやすいですよね。静岡県全体をまんべんなくカバーできるように努力します!
石川さん:
あとこれは私の願望なんですけど、記事を書くノウハウを共有する場があってほしいと思いました。茜さんたちが講師になって、メディアを運営して得た学びを、同じように情報発信したい方々に噛み砕いて教えるんです。発信できる人が増えたら、シャフトさんの話でも出たように、閉じちゃってる情報も、もっと世間に出回るようになるんじゃないかな。
▼気づきの一部を公開している逆インタビューの記事はこちら▼
茜:
私たちもまだまだ勉強中の身です。記事を出しながら試行錯誤しています。ただ、企業の方々が自分たちで発信しようと思った時、お力になれるようにはなりたいですね。経験を話すくらいだったら今でもできるかもしれないですね。
石川さん:
私が個人的に習いたいくらいですもん。ぜったい需要ありますよ!
早くも第2回が決定?
茜:
最後に一言ずつコメントお願いします!
阪口さん:
静岡みんなの広報が好きな人たちは、おもしろい人が多いなって実感しました。楽しかったです。
石川さん:
同じ記事に共感している人でも、違う側面に共感しているのが印象的でした。
小林さん:
みなさん特殊な働き方をされていて、すごく興味深かったです。
石川さん:
気が早いかもしれませんが、ファンミーティング第二弾を希望します! 人数を増やしてもいいし、参加する人を変えてもおもしろいと思います。静岡みんなの広報を中心にオフラインの繋がりがもっと増えたらいいな。
阪口さん:
私もまた参加したい!
小林さん:
もちろん、僕もです!
茜:
そう言っていただけて幸いです。本日はありがとうございました。
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