Column

取材班コラム

2024.03.26

その文章、誰が読む? 何のために読む? 〜ターゲットを定める簡単な方法は〇〇に向けて書くこと〜

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突然ですが、想像してください。

漢字がびっしりと並んだ5歳児向けの絵本を……

おかしいと思いませんか。子ども向けならひらがなで書くべきだし、難しい言い回しは極力避けようとするものです。しかし驚くことに、文章の世界ではこの現象をたびたび目にします。

“漢字だらけの絵本”とはすなわち、誰が読むかを想定して書かれていない文章のこと。

その文章は、誰に読まれたいのか?

私がものを書くとき、最初に考えることです。これが定まらないことにはキーボードが打てません。

もしかしたら、「読者を想定するなんて作家の仕事じゃないか」と思われる方もいるかもしれませんが、手紙でも社内報でもメールでも、必ずそれを読む人がいます。

それにきっと、文章を書くからには誰かに読んでほしいと思っているはずです。

では、その「誰か」とは、誰でしょうか?

誰が読むの?

仮に、”会社の広報で自社ブログを更新している人”の立場で考えてみましょう。

目的が「自社のことをもっと多くの人に知ってほしい」だったら、読者には自社や業界のことを知らない人まで含まれます。

でしたら専門的な用語を使わず、どのような事業をやっているのか、どんな商品をつくっているかなど、会社の基本的な情報から伝えるのが良いでしょう。

ここで注意すべきは、説明文にならないことです。

初対面の人から、「出身は静岡で年齢は37歳、趣味はボウリングと釣りでして……」と自分のことを淡々と説明されたらどう思いますか?

話しているのが大谷翔平くらいの有名人だったら喜んで聞いてもらえるかもしれませんが、残念ながら私たちは大谷翔平ではありません。話は聞いてもらえないし、ネットの文章だったらすぐに画面を閉じられてしまいます。

また、「”自分が”知っているから大丈夫だろう」は大変危険です。

たとえば、専門用語がなんの説明もなく出てきたら。それを調べてまで読みたいと思えるほど魅力的な文章ならいいですが、コンビニで立ち読みする感覚の読者だったら、「あ、違うかも……」とすぐさま離脱してしまいます。

あくまでも第三者の視点で、客観的に読者を想定します。

何のために読むの?

「誰が読むか?」の次には「何のために読むのか?」があります。

書く人が読んでほしい人を求めるように、読む人も読みたい理由を持っています。これがマッチしないことには読まれません。

恋愛小説を読むのはドキドキしたいからですし、電子レンジの説明書を読むのは電子レンジの使い方を知りたいからです。逆に言えば、どんなに素晴らしい文学作品を書いても、今すぐ電子レンジの使い方を知りたい人には読んでもらえないでしょう。

つまり、どんな人に読まれたいかを考えると同時に、その人たちがどんなときに、何の目的で読むかまでを考える必要があります。

たとえば、このコラムは「文章がうまく書けない」と悩んでいる方々をメインの読者に想定しています。書きたい、あるいは書かなければならないけど、どうすればいいの? とお困りの際に、少しでもお役に立てればと思っております。

そしてその裏には、「LEAPHという会社をもっと知ってほしい」という想いがあります。ではなぜLEAPHの事業内容やサービスを紹介しないのか……ここまで読んでくださった方々には、おわかりいただけるかと思います(笑)

10年前の自分に読ませる

具体的な読者やシチュエーションを想定できたでしょうか?

それが難しい場合の、もう一つのコツをお教えします。

10年前の自分になったつもりで読むことです。以前もコラムでも紹介しましたが、第一の読者である自分が楽しく読めるのが大切です。

さらに一歩踏み込んで、「何も知らなかった頃の自分」が楽しめれば、ひとまずは文章を書いた価値があると言えるでしょう。自社ブログであれば、会社に入る前の自分、業界を知る前の自分でもスラスラと、楽しく読めるかどうかを、最後に確認してみてください。

あの頃の無垢な自分を楽しませることができれば、世界のどこかにいる自分と似た誰かにも届くに違いありませんから。

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