2026.08.03

選挙開票の研修を動画に。現場の負担を大幅に削減

1年以上期間が空くこともあり、継続的な業務改善が難しいとされる選挙業務。静岡市葵区役所地域総務課では、ミスが許されない開票事務の事前研修を動画化することで、業務の正確性を保ちながら、現場の準備負担や参加職員の移動時間を大幅に削減しました。 本プロジェクトの背景やその効果について、担当の鈴木翔太さんにお話を伺いました。

■支援内容
開票事務にかかる研修動画の制作(撮影・編集)

静岡市 葵区役所地域総務課の取り組み

地域総務課地域振興係では、主に葵区内の自治会・町内会に対して補助金等の支援を行ったり、区の魅力づくり・地域課題解決支援事業として地域の方々と協力した行事の実施やPR動画の制作を行っています。また、当課は区の選挙管理委員会事務局も兼務しており、選挙の運営に向けた各種調整や準備を行うことも重要な役割です。

選挙のたびに発生する研修負担

選挙の時期になると、通常の自治会業務に加えて選挙業務が重なり、非常に逼迫した状態になります。特に負担だったのが、開票作業に向けた事前研修です。開票作業は、日頃は選挙業務に関わりのない他部署からの職員を含め、100人規模で行われます。そのため、当日困らないように事前の周知が欠かせません。 これまでは、毎回大きな会議室を予約し、実際の機材を準備した上で、1~2時間の研修を2回に分けて実施していました。パワーポイントの作成から全職員への通知決裁、会場手配などを含め、1回の選挙につき担当者には5〜8時間ほどの準備負担がかかっていました。一方で、選挙ごとに作業内容の大きな違いはないため、研修を動画に置き換えても問題ないのではないかと考えました。

作業者目線の撮影と、密なコミュニケーション

選挙の開票業務は、ミスが許されない業務です。そのため、事前に細かく調整していただき、実際の開票所でも職員と一緒に「どの角度から撮ればいいか」を探りながら撮影してくださいました。手元の動きなどを実際に作業する人の目線にこだわって撮影していただいたのが印象的です。 また、編集の段階でもこちらからの修正依頼に対して「ここはこういう対応をします」と一つひとつ細かく密にご連絡をいただいたので、安心してお任せできました。

細かな手順も見やすさを意識

約80名の参加負担をなくし、トータル150時間以上の業務削減へ

今回、概要編と3つの係ごとの業務編、計4本の動画を制作していただきました。当初は、全職員に共通の概要動画と、各自の担当する係の動画だけを見てもらうよう案内していました。しかし、職員から「非常に分かりやすいので、自分が担当する業務だけでなく全動画を見てもらった方が全体の把握になる」という声が上がり、最終的に全員にすべての動画を見てもらう形へと変更しました。

定量的な面でも大きな成果がありました。これまでは1回の選挙につき、約70〜80名の職員を集め、2時間の研修を行っていました。動画化により研修会場へ移動する時間と受講時間が、清水庁舎などの遠方から参加する職員の移動時間を含め、トータルで考えると1回の選挙につき約150時間の拘束時間削減につながっています。 また、担当者としてもパワーポイント作成や会場手配、当日の運営などにかかっていた5〜8時間の準備時間がゼロになり、選挙そのものの業務へ集中できるようになりました。作成前は「動画の確認だけではミスが出ないか」と不安視する声もありましたが、実際の動きが分かりやすかったため、そうした不安の声は聞かれなくなりました。

振り返りを形に。次なる業務改善へ

選挙は1年以上期間が空くこともあり、終わった直後は通常業務に追われるため、なかなか業務改善に取り組みにくいという課題がありました。今回は、選挙が終わった後に職員間で振り返りを行い、そこで挙がった「研修を動画に置き換えられないか」という声を行動に移した結果、大きな成果を得られました。同じように悩みを抱える他の自治体の方々にも、少しずつ改善できるところを探して進めてみていただければと思います。今後の展望としては、開票業務に参加しない職員にも、全体のイメージを掴んでもらうために動画を活用していきたいです。

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